第三十九次 和歌山城址発掘調査

以前から気になっていた、事務所の入ったビルの隣の敷地で行われている発掘調査について、調べてみました。
なんと、和歌山城三の丸の「評定所」があった場所だそうです。以下、和歌山市スポーツ財団さんの公開資料より引用します。

「調査地は和歌山城三の丸「評定所」の跡地に当たります。「評定所」はもと会所と称し、明暦元年(1655)にこの地に設置され、勘定奉行のもとに構成された藩内すべての財政を取り扱う役所でした。江戸時代に描かれた地図には「評定所」の記載がみられ、文久3(1863)年の絵図にも確認できることから、評定所の立地場所は変わらなかったようです。
調査では、評定所の時期に使用されたとみられる石組み枡などが見つかっています。
遺物は陶磁器や瓦などが多数出土しています。中でも「二分口」という評定所内の役所名を記した土器や評定所内で働いていた役人の名前を記した墨書土器が多く出土し、役所として使われていた特徴を示す遺物が出土しました。
これまでの三の丸跡で行われた発掘調査では、家臣の屋敷地の調査が中心ということもあり、多数の土器とともに当時の人々が食べた貝や魚の骨といった生活の様子を示す遺物が遺構から多数出土しています。それに対し、今回の調査では生活の様子を示す遺構が少なく、生活感がない印象を受けます。」